年のせいか集中力が続かず(年のせいではないかもしれない)
なかなか読書もはかどらない昨今
収納場所もないので、なるべく本を買わないことにしている昨今
ですが、本屋さん店頭で平積みされたこの本を見つけたとき
600ページ、4cm近いという分厚さにも関わらず即買いしてしまいました。
池上永一は石垣島出身で、かねてからその作品のファンで
ほとんどの作品を読んでます。
NHKで仲閒由紀恵が主役を演じた「テンペスト」が有名でしょうか。
彼の作品では、颯爽とした知的な女性が主役のものが多いのです
これは、まず表紙で「なぜゲバラ???」 と思いました。
(読後の今でも表紙デザインは絶対間違ってると思う)
帯の宣伝文句を見ると
「第二次世界大戦の米軍の沖縄上陸作戦で家族すべてを失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉。一時の成功を収めるも米軍のお尋ね者となり、ボリビアへと逃亡するが、そこも楽園ではなかった。(中略)数々の試練を乗り越え、自分を取り戻そうとする煉。一方、マブイであるもう一人の煉はチェ・ゲバラに出会い恋に落ちてしまう……。果たして煉の魂の行方は?」
なんですって〜〜〜〜〜?!?!?!?!w(゚o゚)w
もう読むしかないですよ!
沖縄戦から米軍のお尋ね者でボリビアでチェ・ゲバラですよ
どうやっても想像もできないストーリーがそこに待っているはず!
私は物語が好きです。
その世界に引きずり込まれて、どっぷりとつかるのが好きです。
これは極上の冒険活劇の世界に連れて行ってくれそう。
600余ページをものともせず読みました。
1回読んで、すぐ2回目を読みました。
複雑な物語です。くらくらします。
沖縄戦から、戦後、現在へと沖縄の人々がたどった苦難をからめながらの
文字どおり地球上をまたにかけた、壮大な設定
魂(マブイ)という存在が実在する設定(沖縄では実際に存在しているようです)
自分にはあまり馴染みのない中南米世界の様子
ヒロインはパリコレに身を包み、ものすごい大活劇を繰り広げます。
スパイとの攻防、カーチェイス、空中戦、核爆弾

その一方で、サトウキビ作り、米作農業に汗を流し
沖縄料理やボリビア料理を時間をかけて作り
ディオール、イブサンローランを着こなし、ウェディングドレスを手作りし・・・
もうどれだけ書いても、「いったい何なんだ〜〜??」でしょ

気宇壮大な世界から一気にラストで現実にひきもどされる衝撃
読書という楽しみを存分に味わえさせてくれます。
そして沖縄の人々の戦後の歴史・その想いを今一度考えさせられます。
作家の思いが詰まってあふれそうな饒舌さはありますが
決して冗長ではなく
文字どおり傑作です。
厚いだけじゃない、熱い本です。
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