アニメ監督の高畑勲さん(リンク先良いまとめ)が逝去された。
宮崎駿監督と両巨頭として、肩を並べて作品を生み出していた。
ジブリでは「火垂るの墓」など、宮崎監督と交代で発表していたけれど
ファンタジー色の強い爽快感のある宮崎監督の作品と比べると
問題意識が高いがゆえに、暗くなりがちな作風の多い高畑さんの作品は人気の点では見劣りしたかもしれない。
しかし、そのテーマはまっすぐに見る者の心に突き刺さってくる。
(「となりの山田くん」はちょっと勘弁してほしいだったけど

)
最後の作品で、アカデミー賞にもノミネートされた「かぐや姫の物語」はすばらしいとの噂だけで未見なのが残念。
映画館で見た夫が「すべてが美しい」と言ってた。
ジブリ以前に数々のTVアニメをてがけ
「未来少年コナン」「アルプスの少女ハイジ」など夢中で見た。
多分、それらがどんなにおもしろいかをよほど話したのだろうか
私→ハイジらしい
2年前に名古屋へ行った時に、友達がぜひに!と
連れて行ってくれたのは
あのテーマソングに合わせて、刻々と変わる。
この画像を撮るためには、3上映ぐらい待って、前の方に出ないとダメだった。
これで全画面の多分2/3ぐらい。
両横にもっと長い。とにかく圧倒的にデカイ。
そしてハイジを愛する人々が、こんなにたくさんいるんだ!と感動。
寒い寒い2月の夜に大盛況で
この会場まで歩く道も、人がびっちりで満員電車のような人口密度。

そして売店では、ハイジグッズが山盛り。
うわあ、目の毒目の毒。
さんざん見て迷って、荷物を増やしてはいかんと、涙をのんで買わずに帰ってきましたよ。
そんな私に、去年の12月

こんな贈り物が東京から届きました!
ハイジグッズ各種ですよ

•うれし泣き
ハイジ展が開催されていて、
それを見たら私を思い出してくださって、プレゼントいただきました。

かわいい!
そしてエコバッグ

ええ、ええ、行きました!
おじいさんの小屋まで行ってきました!
1991年のこと。
制作前に高畑さんと宮崎さんが、二人で現地へロケハンに行かれたそうです。
それは綿密なものだったそうです。
そして行ってみてわかったのですが、
ほぼ現実の風景どおりでした。
私達が行った1991年当時、まだ日本人観光客もそれほど多くはなく
駅でもらう大雑把な地図しかありませんでした。
麓の村で、パンとチーズとミルクをお弁当に買って歩いて山へ。
道にそって、村を抜けて、ペーターの小屋へ。
更にそのまま道にそって歩いて行きます。
道は車も十分通れる広さで、山の外周をぐるりとまわっていく感じ。
山の景色を見ながら、そろそろおじいさんの小屋だ!と思うのですが
もちろん標識も看板もありません。
道は目指す場所から離れていく気がする。。。
「おじいさんの小屋は、あの山の下にある!大きな木の下に!」と
私は意を決して、道を外れて、丘をがむしゃらに上がっていきました。
ハイジだって、斜面を登っていったじゃないか?
そしたら、突然目の前に、アニメのままの位置取りで
この小屋が現れました。
あとは、「おじーいーさーーーーん!」と叫んで走っていくだけです。
高畑さん達が、現地を正確にアニメに登場させてくれたおかげ。
記憶をたどって行き着きました。
彼らの作品は、どれもアニメが現実を凌駕していくのです。
後から来た人が、小屋の中に入っていくので
片言で聞いたら、山小屋のようなもので、誰でも入っていいとのこと。
まさか中まで見られるとは!!
屋根裏には干し草のベッドじゃなくて、普通のベッドマットがたくさん並べてありました。
小屋の前にはベンチとテーブルがあって、
そこで持参のパンとチーズのお弁当食べました。
チーズを火であぶれなかったのは残念ですが
まさに幸福の瞬間でした。
現在、この小屋は日本人が買い取ってレストランになっているという噂も聞きました。
きっと今は誰でも行き着けるように、日本語の標識や看板があって
「あぶったチーズトーストとしぼりたてヤギミルク」なんてメニューがあるに違いない。
何十年も前に制作された一つのアニメが
遠くスイスまで訪ねていくファンを、今も生み出しているなんて
すごいですよね。
そういう力ある作品を生み出した高畑監督
ご冥福をお祈りします。
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