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2014/10/01

思い出の品

断捨離の冊子を読むと、過去に執着していては物は捨てられないそうです。
もう使わないなら、捨てろ、と。
逆に「いつか使うかも」も未来にずれているのでダメだそうです。

私は典型的な捨てられない、片付けられない女なので、
そんなこと言われても、なかなかできませんが、
今回ひとつ捨てる決断しました。

10011 10013 手描きのカップ。

10014 持ち手が取れちゃったんですよ〜〜
これはもうあきらめ。
(接着剤でひっつけられるでしょうが、もうそこまでしない!)
明日燃えないゴミで出すので、このカップの思い出を書きます。

これは21歳(30年以上前)の時、初めてのフランス旅行で、フランス人の友達からもらいました。
その友達の所に1週間ぐらい居候してたんです。
端から端まで歩けるような、とても小さな田舎の村。
質素な平屋の民家と、リンゴ畑ばかり。

鉄道でパリからナントという都市まで行き、そこから多分車で移動したので、どの辺の村で、何て名前の村だったかも覚えてないのですが

10012 このカップに書いてある地名が、最寄りの街だったと思います。

St. Philbert de Grand Lieuサン=フィルベール=ド=グラン=リュー)

今時はGoogleのおかげで、ストリートビューまでできます。
このマップを航空写真で見ると、周辺にいくつか小さな集落があるので、
きっとそのうちのどれかだったんでしょう。
全然覚えがない。

フランスに行ったら、どんな美食?と思っていたら
食事時間が近くなると、畑へリンゴを取りにいって、ソーセージとリンゴを焼いて、食べる。
村の魚屋さんに行って、「何が食べたい?」と聞かれたので
(海から遠いので、あまりおいしそうな魚はなかった)
二枚貝があったので、「これが食べたい」と貝を。
どんな料理になるか、ワクワクしてたら、お昼に
「じゃあ食べようか」とそのまま生で出されて
(お腹はこわさなかった)。
きっとマリー(友達)は、あまり料理好きじゃなかったはず。
ご両親は近くの家に住んでて、その家はマリーだけだった。

でも、コーヒーはすっごく濃くておいしくて、
もちろん朝は丼でカフェオレ、後は毎食後ブラックで飲む。
5日目ぐらいに、完全に胃をやられてしまった。

リンゴだけでなく、葡萄畑もあって、ワインはどこでも作ってたみたい。
村の男子達は、どこかの家のワイン蔵(狭い、物置ぐらい)にたむろして、
樽からワインを注いでは飲んでおしゃべり。
私はお酒に弱いので、地酒のようなワインは、とても強烈で、あまり飲めず、つらかった、というかもったいなかった。

マリーと彼氏のピエールと3人で、川(湖?)でボートに乗って
そこがとても美しく、まさにフランス絵画の世界で、すてきだった。
(マリーとピエールがラブラブで、私はちょっとバカみたいだったけど)
今回、Googleでその湖を発見
まさにここ(か似たところ)でボート漕ぎました。(うまくリンクするかな?)

郵便局で言われた切手を貼って日本に絵はがきを出したら
料金不足で友達の家へ戻ってきた。
そのハガキは全部日本語で、もちろんマリーの家の住所は書いてなかったのに
日本人ならあそこにいる、って届いたわけ。
その村に来た、初めての日本人と言われた。

帰る前日、マリーとピエール、マリーの友達とその彼氏の4人が来てくれて
最後の晩餐をして、マリーの友達の彼氏のお母さんが
日本人のためにと、大きな洋梨タルトを焼いてくれました。
記憶では30cmちかい直径があったような気がしますが、実際はそれほどじゃなかったはず。でも25cmはあった。
食後のデザートに、そのタルトを、おもむろに5等分して食べることになり
もう死ぬかと思った。
完食したかどうか記憶がない。

そして、マリーのご両親から、このカップをお土産にいただいたのだった。
多分。(今思いだした)

 

初めてのフランスで、いきなりディープな田舎暮らしで
もちろん言葉もほとんど通じない中で
私、何やってたんでしょう。

そうそう。どっかの家のボロ自転車を借りて、サイクリングしました。
これまたマリーとピエールと。
(要は、私はオジャマムシ)
その自転車のブレーキが壊れてて
カーブの続く下り坂を走るのが、ものすごく恐かった。
しかたないから、履いてたサンダルの底をずっと道路にすりつけて
ブレーキ代わりにしたせいで、サンダルが1日でダメになった。
とても履きやすい、オシャレな白いサンダルだったのに。
外国で私が履ける靴(21.5cm)を見つけるのは至難。
そう思って、予備の靴を持ってたからよかったけど
結局、その後、憧れのパリもどこも、予備のぼろい木靴で歩く羽目に。
パリでは、どんなレストランにもカフェにも入れなかったわ・・・
サンダルだけじゃなく、格好もぼろかったし
物価が高くて。

その後フランスを再訪することはなく
マリーとピエールは結婚して、子供が何人か産まれて
彼らが引っ越しした後、音信不通になってしまった。

そんな、断片的な思い出を、つらつらと紡ぎ出す
思い出の品ですが、もう捨てましょう。

(長くなってすみません)

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コメント

 コーヒーカップから、こんなにたくさん思い出がでて、すばらしいなと思いました。想いとともに捨てるのは、惜しいけれどここに、書き残したから、救われますね。
庭の片隅に埋めておくってのは危ないかしら?ワンコたちがいるし。なんだかロマンチックで秋の夜長 [此方は、金木犀やコスモスの季節]
よかったわ。

投稿: アンナのママ | 2014/10/01 22:09

先ほどプレゼント+αが届きました。
とても、猫の形がステキで、ピンクの紙色もアンチック調うれしいです。ありがとうございました。+αは夕食時、湯のみのせてつかいます。
アンナは、片目でもいたって元気にしていますが、子供たちに質問されます。いろんな病気があるのだよと、説明してます。

投稿: アンナのママ | 2014/10/02 17:04

こんばんわ
 mi-goさんのすてきな思いできけてうれしいです
  みんな元気でオサンポいかれたりしていいことです
  ミルタは元気ですが人間のようで不憫でなるたけ
  できる限りのことはしていくつもりです
  私はーーーーーー

投稿: ミルタママ | 2014/10/02 19:30

>アンナのママさん
ただ捨てるのは惜しくて、思い出すままに書いてしまいました。
読んでいただけてうれしいです。
これでカップの精も成仏できそう(なんか変ですが
プレゼント企画応募ありがとうございました。
気に入っていただけたらうれしいです。
 
 

>ミルタママさん
季節の変わり目、特に秋は、物思う季節ですから
いっそうおつらいこともあるでしょうね。
ミルタちゃんは、きっとマイペースでしょうから
(とても静かな良い子だと聞いてます)
ママさんも、ご自分のペースでゆっくりね。
今はまだ無理でも、いつか、人に見せるためでなく、自分のために思い出を書くのも一つの癒しになると思います。

投稿: 藍mi-goro | 2014/10/02 20:07

こんにちは
本日プレゼントが届きました!
ありがとうございます!

楽しそうなフランス生活ですね

お土産とかプレゼントって過去を思い出すためのカギだから、カップ同様、カードを見てはみなみさんと沖縄のワンコ達に思いを馳せることといたします。

投稿: みん | 2014/10/02 22:39

>みんさん
うれしいお言葉ありがとうございます。
カードで思い出していただけたらうれしいです。

投稿: 藍mi-goro | 2014/10/03 18:42

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