飛び込んだミジュン

怒濤の波乱が極まったのは、飛び込み仕事があったからでした。
犬達を空港へ送った帰り、お昼はお弁当にしようと途中の商店に寄りました。
そこでうちの近所のオジイにバッタリ。
あいさつして店を出ようとしたら、
そこで山ほど氷を買ったオジイが私に耳打ち
「ダンナさん2時間ぐらい貸してくれる？」
「何か作業がありますか？」
「魚もらいに行くんだ」
「魚ﾍｯﾍｯﾍ　いいですよ。」

魚ほしさに、ダンナにお弁当とお茶を持たせて
たまたま車に積んであったクーラーボックスと共に（ﾁｬｯｶﾘ）、
オジイの車に送り出したのでした。

私は帰ってTVなど見ながら自分のお弁当を食べて
さあ、午後は昼寝をしようか、などとのんびりしていたら
ダンナから電話。

「すぐオジイのとこに来て！人手が足りない！！」
と緊迫した声。
まあ、そんなにたくさん魚があるのかしら？ｳｯｼｯｼ
なんで人手がいるのかしら？鱗でもとるのか？
などといぶかりながら、汚れ仕事にそなえエプロンしてオジイの家に。

そこには世にもおそろしい光景が広がっていました。
予想した赤い魚、青い魚、緑の魚は1匹もいない。
網にぎっしりとからみついたミジュン（いわし）の群れ、群れ、群れ・・・

「これ全部はずさないといけない」
もちろん網を切ってはいけない。
＼(◎o◎)／！＼(◎o◎)／！(@_@;)(!_+)(-_-;)(T_T)

オジイは近所を回って、人を集めてくる。
全部頭を網目につっこんだ状態。
（そりゃ、いわしだって逃げようと必死だ）
早くはずさないと傷むからいそがないといけない。
しかし、なかなかはずれない。
へたすると引っ張っるうちに、グチャグチャつぶれる・・・
だんだん蠅が集まってくる・・・

永遠に終わらない苦行に思えましたが、
のべ7人でひたすら手を動かし続けたあげく
終わりが見えてきた！！
うれしい！やればできるんだ！
正味2時間かかりました。

ここからがまた大変。
いそいでウロコと頭と内臓を取って下ごしらえ。

うちにもらってきた分だけで250匹ありました。
（遠慮してもらってきてよかった〜〜！）
ということは、あの網には千匹以上のミジュンがあったということです。
ヒエ〜〜〜〜〜

下ごしらえしている間
くいいるように見つめ続けるケン（ビクターの犬みたい）

期待にこたえて、体がグチャッとなったのや、頭を集めて
丸ごとガーっとプロセッサーにかけて
栄養満点のいわしペーストを犬用に作りました。
脂ものっていたようで、フードにまぜてやると
ものすごい勢いでみんな食べてます。
人間は揚げて南蛮漬けにして、すごく美味しい！

普段お店で買って食べている魚も、
だれかがこうやって網から外してくれているのか、と考えたら
漁港の加工場とか大変だな、とつくづく思いました。