天国にぶっぱなした花火
3月10日の記事でご紹介した鎮魂の花火打ち上げbyスコップ団。
宮城県から遠く離れた石垣島ですが、この現場に立ち会った方がいらっしゃいました。
「ちばりよ〜東北の会」の代表の米盛さんです。
そして先日報告会もありました。
石垣島で35万円の花火募金を集められたそうです。
また新聞にも寄稿してくださったので、その一部をご紹介しながら(今日ご本人の了解を得ましたので)、あらためてあの時の様子を。
「 」内は代表さんの文章です。
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当日は一般の人は会場には入れませんでした。
「会場は団員と招待された被災者の皆さんで500人」
お坊様の供養の後、配られた注意書きにはこうありました。
「絶対にはしゃがないこと。(中略)大切な方の葬儀にいどむ気持ちでいてください。」
そして花火が上がり始めると
「とても大音量で音楽を流していました。さまざまな歌が配慮して流れていました。配慮とはどういうことかと言うと、人の声をかき消すことでした。団長が一発目の花火で泣き崩れ、よく耳をすまして聞くと泣き叫ぶ人、何度も何度も名前を呼ぶ人、わ〜と大声でわめく人、静かに涙をこぼす人、「大丈夫だから〜元気でやってから〜」と大きな声で空に話しかける人。
会場は泣き声でいっぱいでした。みんなの悲しみでいっぱいでした。悔しさや怒りや憤りでいっぱいでした。」
「30分くらいからか、みんな落ち着き静かに静かに最後まで見守るように空を見上げていました」
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亡くなられた方ひとりひとりの個性を表すかのように
色とりどりの様々な花火が打ち上げられました。
会場でそんなことが起こっていたとは知らずにネット中継を見ていた私ですが
雪野原にひたすら上がり続ける花火を見ているうちに
会場とは逆に30分経過した頃から、涙が止まらなくなりました。
上がり続ける花火に2万人というあまりに多くの失われた人命の重さを感じたのだと思っていましたが、もしかしたら、その場にいらした人々の尽きぬ悲しみの重さも伝わってきたのかもしれません。
悲しみを少しでも癒すのに、感情を爆発させて、大声でわめいたり、泣いたりすることは大切なプロセスだそうです。
普段、あまりできない状況があるかもしれません。
きっと被災者の皆さんは「つらいのは自分だけじゃない」と、ずっと気持ちを抑えてきたかもしれません。
この花火の間に、ちょっとでもそんな気持ちを解放させたことで
つかの間でも気分が晴れたり、何か切り替えができたりしたらよいのですが。
現在、西表島では福島県の子供達25人が、まーちゃんうーぽーさんの招待で、
石垣島では福島県飯舘村の小学生達がWWFさんと白保村に招待されて、
晴天の続く島で、思いっきりお日様と海や川を楽しんでいます。
みんな外で遊べることがうれしくしかたないそうです。
子供達が遊んでいる間に、飯舘村からつきそいでいらしたお母さん達と話す機会がありました。
福島県の方からお話をうかがうのは、本当につらいです。
その窮状があまりにも逃げ道がなさそうで、何と言ってよいのかわからなくなります。
何ができるかもわかりません。
ただひとつ言いたいのは、
様々な情報を得て、あらゆることを考え、板挟みになり、
本当につらい思いをした上で、福島に留まることにした人々を、
責める人がいるということ。
自己責任で留まる人、自己責任で県外に出る人、どちらも尊重されるべきではないでしょうか。
苦しんでいるのは誰なのかを考えてほしい。
福島県外から人を責めたり、脅したりするのは本当にやめてほしいです。
もちろん差別なんて言語道断。
最後にもう一度米盛さんの文章から引用します。
「被災者の方々の悲しみや苦しみをかき消すことは難しい。でも離れていても何か役に立てることは必ずあると信じて、今後も微力ながら活動を続けていきたいと思っています。」
私は更に微力ですが、被災者の側に心を寄せていければと思います。
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コメント
いろんな思いが交錯したのでしょうね。
大きな音がするので、思い切り泣けたと書かれていたかたもいらして、なるほどと思いました。
思い切り泣けるときって、あるようでなかったのかもしれないし・・・
企画して実行されたかたの力、すばらしいなと思います。
投稿: ゆか | 2012/03/30 14:44
>ゆかさん
本当に企画実行された皆さんの力がすばらしいですね。
たくさん応援支援した人々の力も集まって、これだけのことができたのだと思います。
思い切り泣いたり、大声で名前を呼んだりすることの癒しは自分もナツの時に体験したので、ちょっと分かる気がします。
投稿: 藍mi-goro | 2012/03/30 19:23
教えてくれてありがとうございます
私もあの日、ウェブで中継を見ていました
書き込みをする人の思いに涙が止まりませんでした
でも会場で起きていることに思いをはせることはできませんでした
そうだよね、そうだよね
教えてくれてありかとうございます
投稿: みん | 2012/03/30 19:54
>みんさん
そうでした〜。書き込みの内容にもこみあげるものが多くありましたね。
私も会場で起こっていたことを聞いて、また泣きましたし、思いの深さに感動したし、また悲しみの深さをあらためて感じました。
投稿: 藍mi-goro | 2012/03/31 11:35
揚載ありがとうございました。
石垣島でもかなりの皆さんが花火をご覧になられていて
私自身、驚いています。
正しいとか間違っているとか、色んなご意見も頂きました。
ですが自分がやったことで島の沢山の方々と気持ちが共有できたこと、募金をしてくれた人々のお気持ち、現場におられた悲しみをかかえた皆様、すべてにおいてやってよかったと思っています。
改めてそういう意識が強い方とも知り合え、今後も皆さんに支えてもらいながら、活動を続けさせていただきたく、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございました。
投稿: 米盛です | 2012/03/31 13:37
>米盛さん
本当にお疲れ様です。
今回は現地の様子を教えていただいて本当にありがとうございました。
どんな活動にせよ、動かない人ほど、動いている人に文句を言うものです。
これからもどうかご自分の信じる道を進んでくださいませ。
応援します!
投稿: 藍mi-goro | 2012/03/31 20:01