想定外ではない話
今日は藍ゆうゆう(ダンナ)が、この2ヶ月半の間に考えた事をまとめたのでアップします。
長文ですが、読んでいただければ幸い。
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「想定外ではない話(知ってるけど黙ってようね)」
2ヶ月以上も前にロイターの記事「地に落ちた安全神話」(3/30付)があり、東電という会社の現状を伝えています。
概略を述べると、どうみても東電は福島原発の事故を想定しなくてはいけなかった。
なぜなら、2004年のスマトラ沖地震以降、東電の原発専門家チームが研究し、2007年7月にアメリカの国際会議で福島原発を問題視。
この400年に4度M8以上の地震にさらされていて、15m以上の津波の可能性もある、と発表。
更に原発の世界のアクシデント・マネージメント(危機対処法)には、電源が失われた場合(注水不可時)の二重三重の対応策がなかった。
問題を知っていながら福島原発を放っておいた。それで地に落ちた安全神話でした。
東電の役員には原発に精通した役員がいない。
電気料金は国際水準の2倍とか、ネット上の東電の情報に良い物はありません。
福島の汚染された土、瓦礫の処理も積極的に関わらない。
そして電力供給量については「水力と火力で・・・」と大ざっぱで、夏にピーク時は原発がないと不足する事のみ強調。
公共料金なのだから、料金を支払っている利用者に、発電方法別、発電事業所別の数値を公表し、東電と利用者双方で供給や節電を考えれば、計画停電をしなくてもよいかもしれません。
企業の自家発電能力も随分大きいと言われています。
でも初めに東電の情報開示が必要です。
「火力と水力にした場合、夏のピーク時に電力不足になる」とか「原子力から火力にした場合、会社の負担が大きい」とか、何十年もこの程度の説明で私達は「大変そうだ。仕方ないね」と済ませて来ました。
でもデータもなく言葉を繰り返すより情報開示の方が優先です。
1日5万kw供給するのに、最低限「原子力発電だといくら、原子力発電じゃないといくらかかる」という目安も必要と思います。
前に書いたように国際水準の2倍の電力料金を東電の利用客は支払ってきました。
総括原価方式についても意見がネット上で言われるようになりました。
原子炉など1基何千億円以上もする高額の投資をすれば、電力料金に反映させ、利益金額が大きくなり、投資金額が小さくなると、利益も小さくなるため比較的安価な自然エネルギー等に消極的になってしまう。
場合によっては、現在のソーラー発電のように会社が電力を利用者から買う事になるのですから、原発を自然エネルギーより推進するようになる。
バス・タクシーも総括原価方式といっても、競争相手があったり、他の交通手段もあるため、価格をそれほどあげることはできません。
地域独占で別の電力会社を選べない現状では、先に料金値上げではなく、しつこいですが、利用者が納得できる情報開示が必要だと思います。
地域独占は秘密主義になったり、独善的になりやすいと言われていますが、その通りの結果としての原発事故と思います。
冒頭のように、福島原発は東電社内専門家チームが危険視したのに、何も対策しないで放っておいた会社の責任が大きいです。
それなのに、賠償問題=東電救済問題のようになっています。
90年代の金融危機の時の銀行のように東電を救済するのは最悪と、外国のプレスは4/8に「東電は必要なら破綻も」のタイトルで発表しています。
90年代は企業の資金不足、取り付け騒ぎはじめ、社会的影響が大きいので金融システムを守るため、ということで仕方なく銀行に税金(公的資産)が投入されました。
しかし、銀行と違い、収入がほとんど電気料金と明確な東電の場合、破産処理をしながら、発電送電をすれば良い、ということらしい。
同様の近い例ではJALがあり、今でもJALの航空機は飛んでます。
資本主義の国際ルールです。
また何年も前から情報開示に、努力されている議員は、「東電には電気料金から積み立てた原発関連資金2兆5千億円があるので、まずそれを使い、次に資産売却をした後で、賠償問題の議論を進めるべき」とご自身のブログで言われてます。
でもネット版報道された賠償スキームでは、銀行の時と同じように、機構に公的資金を入れ、原発事業者9電力が10年かけて電力料金から返済。
東電管内は16%料金値上げで、他の地域はまだふれてません。
自民党政権時代からの積み残しの責任・原因不明のまま、財政赤字が問題にされ続け、復興の大変な時に東電事故。
打ち出の小槌のように消費税アップが言われ、やがて国会議員・官僚には無関係の国民年金・厚生年金の支給額減額や受給開始年齢の先延ばしも予想されます。
(ちなみに、この二つの年金の運用方法や、受給額の計算式も、積み立てた受給者には十分に知らされていません)
銀行や経団連トップが、国が税金で東電を守るべきとする根拠の原子力損害賠償法3条に「巨大な天災により被害が大きい場合は、事業者に賠償責任はない」とあります。
東電は福島の農地・教育現場・瓦礫を汚染して自治体まかせ。
普通なら3月に表土を除去して、しかるべき処理場所に撤収するのが日本の会社と思います。
そもそも、他人の土地を汚したら、汚した本人が元通りにする、謝罪する、最大限賠償する責任があると思います。
こういことに積極的にかかわることなく法律頼みです。
何でも、法律(この場合は原子力損害賠償法)があるから守ると言われても、冒頭のように、東電は知っていて放置しておいたので、これは天災ではなく人災なのですから、免責対象とは思えません。
事故後の被災者への対応にも誠意はありません。
賠償スキームは一応ありますが、政府が裁量の幅を大きくするか小さくするか、全ては今の政府が国民感情をどれだけ反映できるかです。
東電を守り、電気料金を上げて、足りなきゃ消費税を上げるチャンスというのは安易すぎて、大企業を優遇し国民生活を壊す自民党政治と変わりません。
(私はどの政党支持者でもないですが)
野党で政権与党に帰りたい人も、与党で要職に就けない人も、行き詰まったら総理批判など無駄なことをせず、第一に復興を考えて、次に国民生活を守るくらいの政治をしてほしいです。
私が政治家に閉塞感を持つのは、政治家が高齢化し、考え方に若さや元気がないからです。また若くても、高齢の先輩政治家について右往左往しているだけの政治家にはがっかりします。
私の友人が福島で農園経営をしています。
それだけでも大変ですが、奥さんが相馬出身で故郷を追われ、いつ帰れるかもわからない多くの親戚がいます。
ということもあり、この問題にはいろいろ考えることがあり、長々と書いてしまいました。
読んでいただき、ありがとうございました。
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