バスの乗り方

沖縄では、バスに乗る時は、タクシーを止めるように手をあげて、
運転手さんに合図しないといけません。
そうしないと、たとえバス停に立っていても、素通りされるかもしれない。

私がこれを発見したのは、旅行者として沖縄本島を回っている時でした。
バス停に立っているおばさんが、いきなり手をあげた時は、タクシーを止めるのかと思ったら、止まったのはバス。
本島ではバス路線が多く、ひとつのバス停で、何種類ものバスが来るからでしょう。
自分の乗りたいバスが来たら、手をあげて「乗るよ！」と意思表示。

さて、石垣島ではバス路線は全く多くありません。
だからバス停に立っていれば、バスは止まってくれるはず。
バス停に立っていない時は？

私が石垣に来てまもない頃、バスに乗ろうと歩いていたら、バスが近づいてきました。
バス停はまだ数十メートル先。
とりあえず運転手さんに見えるように手をあげてから、走りました。
バスは私を追い抜いてバス停まで行くと、そこで待っててくれました。

ハァハァしながら「すみません〜」とバスに乗ると、運転手さんが
「街中ではバス停以外の場所で止まると怒られるんだよ」と逆に謝ってくれました。

街中じゃない所では？
そうです。どこでも手をあげれば止まってくれます。
（フリー乗降区間と呼ばれる）
こんな感じ

石垣では、郊外を走るバスはガラガラ。
住民からすると、遠回りをして料金も高いし、どうしても自家用車になってしまいます。
利用者はお年寄りが多い。
当然歩く距離を減らすよう、自分の家の前から乗って、自分の家の前で降ろしてもらいます。
もちろん、路線沿い限定ですけど。

数年前、西表島で路線バスに乗った時、
乗り込んできたオバアに運転手さんが「オバア、どこまで？」と聞いたら
オバアは当然のように「おうちまで！」と答えました。
そして路線沿いの家の前で降ろしてもらいました。
また、別のバス停では、別のオバアが立っていて、運転手さんがドアを開けると
千円札を渡して「食パンとゴミ袋を買ってきて！帰りにまた出てるから」
運転手さん「エェ？！どんな食パン？ゴミ袋は何色？」
オバア「何でもいいよ。売ってるのを買ってきて。」

終着点にある商店で、運転手さんは買い物をしてました。
おそらく折り返しで30分ぐらいすると、また戻っていくのでしょう。
（西表は一路線しかない）

お年寄りをみんなで守っているのが、イイなぁ、と思いました。

観光客の方にも、路線バスはお勧めです。
すごくお得な５日間乗り放題なパスが出ています。
そしてガラガラですから、運転手さんのそばに座れば、ガイドもしてくれるし、
たいてい、民謡ばかりかかる沖縄のラジオ放送か、運転手さんの好きなＢＧＭが車内には流れ、美しい景色をながめながら、ゆっくり島を回れます。
そして気の向いた所で「ここで降ります！」と言えば降りられます。

ただし、郊外を走るバスは１日に数本しかありません。
いったん降りたら、次は２-5時間後なので、ご利用は計画的に