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2010/08/24

アンガマ

アンガマは石垣島独特のお盆行事です。

あの世からの使者であるウシュマイ(おじいさん)とンミー(おばあさん)がファーマー(子孫)を連れて、仏壇のある家々を訪問して、珍問答や踊りで、祖先の霊を供養する行事。

これは古くからの石垣市街で、お盆の夜行われています。

でも私達が住んでいるのは、戦後の開拓村。
沖縄本島や宮古島からの移民の方々が、道無きジャングルを切り開いて、村を興した所です。
道も水道も電気もないところでのご苦労がいかばかりであったでしょう。
(明治の話じゃないですよ。この前の戦後です。)

石垣の中では新しい村で、石垣独特の行事であるアンガマはありません。
こちらの方に街からアンガマを呼ぶこともありませんでした。

それが、なんと、今年は縁あって、近所の公民館がアンガマを呼びました!!
これは開村以来の出来事です。
(どういうご縁かは新聞記事をお読みください)

普通は日暮れ後に行われますが、遠隔地なので、まだ日も高い5時開始。
8241
見慣れた日常の光景が、急に非日常になります。
8242 海を望むサトウキビ畑の前を通るアンガマご一行(総勢30名ほど)。
太鼓をたたきながらグルッと集落内を回って、公民館へ。
8243 普通はお座敷に通すわけですが、急遽畳をそこだけ敷いてお迎え。
ファーマーの皆さんは床に直接です。
島では座布団はあまり見かけません。

そしてウシュマイとンミーが線香を供えて念仏を唱える所から、一大芸能ショーの始まりです。
8244お線香を供えるのにも踊る!
そして次々とファーマーが2−3人で順に踊ります。
8245824_2 演奏はもちろん生です。
見物人は誰でもウェルカムですが、見物人は外から見ます。(これは民家の場合も同様)
この日は、村のお年寄りや関係者だけが中で座って見物。

ウシュマイ達はあの世の人であることを表すために、裏声で話します。
ファーマー達もあの世の人なので、性別や顔がわからないようにしています。
824_5          (多分この3人は男子と思われます)

そしてアンガマの楽しみと言えば、
踊りの合間に交わされるウシュマイ達との珍問答。
基本的には方言で。
だから何を言っているのかわからないことも多々。

観客も質問する人は、顔をタオルなどでちょっと隠して裏声で呼びかけます。
824_3
呼ばれると、そっちまで来てくれます。
824_4 古くからの定型のやり取りなどもあるようですが
その場で当意即妙にとんちを利かせた答を返すのが、ウシュマイ達の腕の見せ所です。
笑いを取らねばなりません。

青年が演じているので、方言を流暢に使いこなせる人は少ないらしく
だんだん普通の言葉になると、私達にもわかって笑えます。

新聞記事にもある「なぜ歯が3本しかないの?」という子供の質問には
キレのよい激しいアクションで、爆弾を口でとる様子を表したり
「不便だから3本だけインプラントしてもらったわけよー」と
突然インプラントなんて新しい言葉を混ぜて、拍手と笑いを取りました。

通俗的に言うと、漫才コンビと舞踊のエンタテーメントですね。
TVなどのない時代、お盆にみんなで集まって見物するのは
どれほどの楽しみだったことでしょう。
今見ても、すごく楽しいです。

824_6 出し物が終わって、帰途につくご一行。
8242_2 8243_2
この日は、学校の駐車場に車を止めて、暑い中、ご一行は歩いて公民館まで数百メートルを移動してきました。

私は単純に「大勢だから数台の車を止める場所を考えて、学校にしたのかな」と思ってました。

でも、もっと深い訳があったらしいのです。

学校の裏から、公民館裏の拝所までは「神様の通り道」だそうです。
おそらく、それに従って、学校裏から公民館に入られたのではないか、と。

そうだったのか・・・・深いぞ、石垣島。




 

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コメント

とてもおもしろい(興味深い)です!
アンガマは言葉だけは知っていましたが、何をするのかとか、意味などは知りませんでした。
ぜひ側で見たいですね~!

投稿: ぱんだんて | 2010/08/24 23:07

地域初のアンガマ、見に行きたかったですね~
仕事から帰る時間には終わっていました・・・

地域には「神様の通り道」必ずありますね。
竹富島にも、「カンヌミチ」があります。

火の神、海の神、農の神などなど、
昔は神頼みしないとやっていけない
苦労が多くあったと察することができます。

投稿: だい | 2010/08/25 23:56

>ぱんだんてさん
こちらのお盆に合わせていらっしゃれば、毎日あちこちで催されてますよ。
沖縄音楽をやっていらっしゃる方にはよりおもしろいと思います。happy01


 
>だいさん
お仕事で残念でした〜。
昔(つい数十年前まで)のご苦労は本当に想像することもできないぐらいの厳しさだったでしょうね。
「神様の通り道」はそれぞれの地域にいくつか存在するみたいで、難しいですよね。

投稿: 藍mi-goro | 2010/08/26 20:02

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